2015年1月7日水曜日

疲れが原因の風邪には扶正解表

疲れが原因の風邪には扶正解表

年末年始のもろもろの疲れ、雪かきの疲れなど、様々な疲れは、容易に風邪の邪気を体内に引き込み、ややもすると裏(体の奥)まで侵入を許します。
食べ過ぎや寝不足、そして不規則な生活は、体の恒常性を狂わせて免疫力も低下します。

また、外気と室内の温度差も大変なクセ物で、このせいで患者さんの弁証を誤りそうになるときがあります。
真熱仮寒・・・熱証に属するのに、熱が極まり仮寒(冷え)の症状を呈する
真寒仮熱・・・寒証に属するのに、寒が極まり仮熱(熱)の症状を呈する・・・等

雪かきなどをした後は、体が火照り汗をかいて湊理(体表面の毛穴)が開いて、寒湿邪が侵入しやすくなっています。
そこですぐに入浴したり、汗を拭いて着替えをできればOKですが、外気温が低いためにすぐに湊理が閉じてしまい、邪を引き込んだまま体表面は硬く閉じてしまいます。
すると体内でウイルスが繁殖をはじめ、熱が上がってきたり、咳き込み痰が絡んだりする症状が出始めます。
このとき、熱っぽいために熱冷ましを使いたいところですが、熱があるのは半表半裏のところで、体表面と体の芯は冷えていたりするので、辛温解表剤で湊理を開き邪を追い出すことが優先です。

解表のタイミングを間違えると、あっという間に邪が裏まで侵入し、骨、関節、腰がガクガクに痛んだり、内臓の不調を訴えるようになります。
過労があると、この症状になるスピードがとても早いです。
通常の元気な方には、邪が入った時は解毒解表が優先で、栄養を補うことは避けますが、過労がある方は、邪を排泄する力も弱っているために、補いながら解毒するという、扶正解表の方法を用います。
骨や関節に熱がついて、寝返りを打つだけでも痛み、眠れないほどの風邪に、私は麻黄附子細辛湯+大熊柳を好んで用います。
”温めて大丈夫?”と思われるかもしれませんが、内臓や骨は冷えて血流不全を起こし、それにより炎症しているので、温裏扶正するこの方法がとてもよく効きます。

痛みが激しいときは、お湯のみに黒糖小さじ1+すりおろし生姜大さじ1を入れ、温かいお湯を注ぎ、これで麻黄附子細辛湯と大熊柳を飲んでいただくのがよいです。
風邪は万病の元・・・タンポポ茶を併用していち早く解毒し、ウイルスの奥への侵入を避けましょう。

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