2013年11月28日木曜日

冬場に気をつけたい女性の血寒証

冬場に気をつけたい女性の血寒証

血寒証とは、外からの寒さや、体内部の冷えによって、血脈の運行が阻害されるもので、冬場の養生が大切です。
血寒証は、手足が冷えて、皮膚が紫色っぽくなって痛みが生じ、温めることで楽になります。
その他に、お腹が冷えて痛みが生じる、月経痛、月経に紫色の血の塊が降りる、月経が遅れるなどの症状がみられます。

女性は、毎月の月経で体の状態を知ることができますよ。
月経が遅れる原因の一つは、胞宮(子宮)の冷えです。
また、月経の量が少ない、色が薄いなどは、血虚の症状で、積極的に養血する食材(色の濃い野菜、黒い食べ物)を召し上がるとよいです。
塊が降りるのは、血行障害を示し、子宮の中に冷えて滞りが生じていると考えられます。

長くこのような状態が続くと、不妊、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がんなど、女性特有の病気を生じやすいので、気をつけてください。

寒い冬に、体の内部を冷やさない工夫として、特に首の部分を温める養生をなさってください。
まず、首筋(大椎)や、手首、足首を冷たい風から保護します。
お腹を温める工夫として、足の内側を温めることが推奨されます。
温灸器や温かい湯たんぽなどで、両膝の内側や、足首の内側、太ももの内側などをよく温めてください。
足が温まると、温かい血液が子宮やお腹に届きます。
子宮にトラブルのある方は、両鼠径部の温灸や、お臍周りと腰の腎の部分の温灸も大変によいです。
お腹を温める食材として、鮭やニラなどを用いた鍋料理をお勧めします。

★漢方でお勧めは、大熊柳と野牡丹の併用です。
大熊柳は、お腹や子宮の内部を温め、血の流れを回復させます。
野牡丹は、養血作用にすぐれて、子宮の血流をよくします。
冷えと痛みに悩む方・・・・是非お試しくださいね。

2013年11月22日金曜日

恐れの感情のコントロールの仕方

恐れの感情のコントロールの仕方

驚いたり、恐れたりする気持ちは、生命力を著しく低下させます。
ヒトは恐怖に戦いたとき、リンパ球の働きが低下して、免疫力が弱まってしまうことが知られています。

ある実験があります。
ネズミに電気ショックを与え、ネズミを再びその環境にもどしたとき、ネズミは強い恐怖を感じて発ガンしやすくなります。
Aのネズミには、電気ショックを与えずに、そのままの環境に放置します。
Bのネズミには、電気ショックを時折与えますが、レバーを足で押すと、電気ショックが消える仕掛けになっています。
その結果、Aのネズミはさらに発ガン率が高まり、Bのネズミは、免疫力が高まり、発ガン率が低下することが知られています。

つまり、Aのネズミは、いつ電気ショックが来るかにビリビリと怯えている状態。
Bのネズミは、電気ショックがきても、レバーを押せば回避することを学習した状態です。

これはヒトにも言えることで、強い恐怖やストレスがあっても、対処の仕方や方針が決まっていれば、恐れの感情をコントロールすることができるのです。
逆に恐れの感情を増幅させてしまうのは、方針がわからず、あーでもないこーでもない、と堂々巡りして思い悩むことです。

これは脾の働きに関係しており、脾が弱っていると、考えがまとまらなくなり、悩みやすくなります。
脾が丈夫であれば、理知的になり、腎の情志である恐れの感情をコントロールすることができるのです。
胃腸を傷めないことはとても大切なのですね♪

2013年11月6日水曜日

脳浮腫が起きたとき

脳浮腫が起きたとき

脳腫瘍があったり、脳に転移がみられたときに、脳圧があがって頭がもうろうとしたり、頭痛、吐き気、嘔吐等が起こることがあります。
また、脳に放射線を照射したときも、同様の症状が起こることがあります。

これは、脳の組織に炎症が起こるためです。
ガンの勢いが強いときもそうですが、放射線のような熱毒を当てますと、組織に炎症が起こるために、その炎症をさまそうとして、水が集まり、むくみが生じるわけです。
腹水、胸水、膝に水が溜まる・・・などと同様の理屈です。

この水を引かせるためには、元になる炎症を抑えることが大切で、清熱解毒生薬+五苓散を併用するのはこのためです。
清熱解毒生薬により、炎症を鎮め、五苓散は、代謝水を素早く引かせるのに用います。

また、五苓散は、水分代謝不全による吐き気や嘔吐の薬でもあります。

脳浮腫が生じると、一時的に思考力も低下し、このままわからなくなってしまうのでは・・・?というような不安も生じやすいのですが、きちんと養生すれば日にち薬で回復してきますので、落ち込まないようにしてください。
お手当てでは、豆腐パスタが有効です。

2013年11月5日火曜日

美肌と経絡

美肌と経絡

先日の薬膳教室のテーマは美肌の薬膳でした。
肌の状態は、季節の邪気や、五臓の働きととても関係しています。

例えば、
春先は風邪の影響で、痒みが起こりやすく、又肝の働きで、しみ、くすみなどを作りやすい
梅雨場は、湿邪の影響と、脾の働きに関係し、湿疹、むくみなどが起こりやすい
夏場は暑邪の影響と、心の働きで、化膿、吹き出物、赤みのある発疹、口内炎などを作りやすい
秋は、燥邪と肺の働きで、肌の乾燥、しわなどを作りやすい
冬は寒邪と腎の働きで、冷え、血行不良、くすみなどが起きやすい
です。

そして、肌の状態を診るとき、経絡からのアプローチは欠かせません。
顔を正面からみますと、足陽明胃経、足太陽膀胱経、手陽明大腸経、督脈が通っています。
また、側面からみますと、足少陽胆経、手少陽三焦経、手太陽小腸経が通っています。

各経絡上に現れた、しみ、くすみ、しわ、湿疹などのトラブルは、それぞれの臓腑に関係しており、その臓腑を補ったり、経絡の通りを良くしたりすることで、美肌が蘇るので、不思議でもあり面白いですね。