2014年5月27日火曜日

部分は全体を集約する考え方

部分は全体を集約する考え方

ガンやリウマチ等、生活習慣が大いに関係する免疫疾患で、治療養生中の皆さんの多くが、病院での検査の結果や、マーカーの値等に、精神的に一喜一憂される傾向にあります。

勿論、定期的に検査を受けて状態を知っておくことは意義のあることですが、あまりにもそのことに振り回され過ぎて、
”次の検査が心配で、喉も通らないし、眠れない”
”こんなに元気で順調だったのに、腫瘍マーカーがどんどん上がり、不安で食欲も落ちてしまった!”
等の気持ちになると、免疫力というのは、本当に低下してしまいます。

病が治る課程には、いろいろなことが生じます。
血流が改善されて、一気に流れ出したために、痛みが倍増することもありますし、免疫力が上がり、リンパ球がガンを攻撃するために、一時的にマーカーが急上昇することもあります。
検査というのは、そのような治る課程で、たまたま無作為な1日のデーターを見ますので、タイミングがずれると、あたかもひどく悪くなっているような印象を受けることもあります。

こんなとき、大切なことは、部分は全体を集約するものだという考え方です。
例えば、寝たきりになった方の褥瘡(床ずれ)は、褥瘡そのものを治療しても治らず、全身状態が改善すれば、次第に回復することと同じです。

東洋医学では、顔色、手足、爪の色、舌の状態、脈の具合、声の勢い、活動力、食欲、排便、睡眠の質などをとても大切にします。
体全体の状況がよくなれば、いずれ、患部は必ず治癒します。
言い換えれば、患部よりも、全体の状況が良くなることが先なのですね。
体の状態が良くなれば、患部がどのような経過をたどろうと、いずれは回復するので、全身のQOLをよくする養生を辛抱強く続けることが大切です。
過剰に心配をせず、自信をもって養生を続けてくださいね。

2014年5月20日火曜日

変えてみよう!食習慣♪

変えてみよう!食習慣♪

私たちの体は、毎日の食べ物から作られています。
日本人の体に合った食事を摂り、季節の食べ物をいただいている体は、とても喜び元気ですが、お菓子やファーストフードばかりが続いて、お腹を膨らませている体は、いつかは悲鳴をあげ、何らかのトラブルに見舞われやすいと言えます。

ガンをはじめとする慢性病の食養生では、
1,雑穀、玄米、蕎麦、全粒粉などの穀物を5割、季節の野菜、豆類、海草、きのこなどで3割、残りの2割の部分に、魚、肉、卵などの動物性食品と嗜好品・・・・というようなバランスを1日のうちでとると良い

2,解毒を促進させるために、よにかくよく噛むこと、そして腹7分ほど・・・例えば、昼を食べ過ぎたら、夜は軽めに・・・など、こちらも1日のうちでバランスをとると良い

3,間食がどうしても必要であれば、ナッツ、プルーン、干し芋、栗・・・など自然のおやつが良い

の3点がポイントです。
最初からあれもこれもダメ・・・ということではストレスが溜まってくじける!という方は、出来ることから少しづつ始めて見てください。
例えば、朝食がパンとコーヒー、牛乳、ハムエッグ、ドレッシングたっぷりのサラダ・・・だったという方は、玄米でなくても、ご飯と味噌汁にしてみる等
体に良い物を積極的に摂ろう!という意識が強かった方は、体に良くない物をなるべく減らそう・・・の発想もよいです。
 
食事は、意識的に改善出来る物の最たる物です。
ほんの少しの変化でも、体は変わってゆきますから、是非今日から始められることをスタートさせて下さいね♪

2014年5月14日水曜日

この時期から増える膀胱炎

この時期から増える膀胱炎

梅雨場~夏本番のかけて特に女性が悩まされやすいのが、膀胱炎です。
中医学では、膀胱湿熱という証がありますが、まさしく膀胱に湿と熱が溜まるのが膀胱炎です。

梅雨場の膀胱炎は、湿気と湿による下半身の冷えから起こります。
下半身に湿が多いと、膀胱周りの血流が悪くなり、膀胱粘膜の免疫力が落ちて、細菌感染しやすくなります。
足下を冷やさない工夫をしてください。
また、下半身が冷えやすく、むくみやすい方は、タンポポ茶に生姜のすりおろし汁を入れて温めて服用ください。
解毒と利尿効果がより高まりますよ。

夏本番の膀胱炎は、汗と不感蒸発の津液代謝により、尿量が減少し、濃くなることが原因です。
夏になると、黄色の濃い尿が出ます。
色の濃い尿は、身体に熱が籠もっているときに出ます。
尿量が少なくトイレに行く回数が減りますと、膀胱粘膜が熱で荒れやすくなります。
この場合は、タンポポ茶に霊芝胞子などの清熱解毒剤をプラスします。
猪苓湯などもよく使います。
食養生では、トマト、冬瓜、スイカ、メロン、胡瓜などの瓜類を召し上がり、腑にたまった熱を冷ましてくださいね。

2014年5月9日金曜日

夏場に辛い陽盛体質

夏場に辛い陽盛体質

これから夏に向けて、体調管理に気をつけていただきたいのが、陽盛体質の方です。

陽盛体質とは、文字通り、陽が勝る体質で、一見してとても元気な人です。
陽が盛んであると、活動的で、いつもエネルギッシュ、上半身に熱を持ちやすく、高血圧、目が赤い、赤ら顔、、喉が渇く等の症状が出やすく、夜になっても一向に眠気がきません。
このような状態のとき、肝と心に熱をもちやすく、じっとしていられない、仕事など、疲れていてもやらないと気がすまない、いつもイライラする、欲求が通らないと鬱になりやすい・・・などリラックスできない状態に陥ります。
ワーカーホリックな方の多くがこの体質です。

夏は気温が上昇して、上半身の熱がさらにこもりやすく、効率的に汗をかけないと危険な状態に陥ります。
したがって、汗をかいて放熱することも大切なのですが、汗のかきすぎによる陰の消耗は、身体の熱をさますラジエーターの水の不足と同じで、オーバーヒート状態を起こしやすくなります。
オーバーヒート状態は、脱水、血液の粘度が高まり、熱射病、心筋梗塞、脳梗塞などの突然死につながります。

適切な水分補給は、勿論大切なのですが、陰を補う養生は一にも二にも睡眠であるので、丈夫だといって過信せずに、早めに休むことが大切です。
日中の最も暑い時間帯も、少しお昼寝(20~30分身体を横にするだけでもOK)するとよいですね。

津液を速やかに補充する飲み物は、甘味+酸味のあるものですので、ハチミツレモンなどがお勧めです。
酸味にはクエン酸も多く、速やかに夏の疲れを癒してくれます。
また、陽盛体質の方は、焼き肉、揚げ物、餃子、ニラ、ニンニク、ネギ、キムチ、アルコールなど身体に熱を込めやすい食べ物は、特に夏場は謹んで下さい。

陽盛体質の方の養生は、引き算の養生・・・タンポポ茶や、紅羅布麻で、解熱、解毒、解欝をはかり、体内を浄化しクールダウンすることで、長持ちする身体を作ります。

2014年5月1日木曜日

梅雨場の食養生法

梅雨場の食養生法

梅雨の季節をうまく乗り切るためには、脾胃を養い、体内の水はけを良くしてあげることがポイントになります。
日本人は、冷たい飲み物、お刺身などの生もの、サラダ、アイスクリーム、フルーツなどが大好きですが、これらの食べ物は、体を冷やし、脾胃の働きを低下させてしまいますので、摂りすぎに注意が必要です。

♪摂りすぎてはいけないもの
1,体を直接冷やす食べ物・・・冷たい飲食物、生もの、サラダ、アイスクリーム、フルーツ、乳製品、冷や奴、冷やし麺

2,消化が悪く、脾胃を傷める食べ物・・・揚げ物、油物、味の濃い料理、生クリームなどの乳製品、ルウ、甘い物

♪積極的に摂るとよいもの

1,発汗を促す辛みのもの・・・ねぎ、生姜、紫蘇、シナモン

2,香りが強く、湿気を飛ばすもの・・・ミント、青しそ、かいわれ、パセリ、バジル、香菜、ハッカ、茗荷

3,消化を助けるもの・・・大根、かぶ、りんご、パイナップル

4,利尿を促すもの・・・小豆、黒豆、鳩麦、冬瓜、とうもろこし、鯉、はまぐり、豆乳

5,吸水して、解毒を助ける乾物類・・・高野豆腐、麩、春雨、切り干し大根、干し椎茸、乾燥野菜、乾燥わかめ

どうぞご参考下さい!