2012年10月30日火曜日

肺ガン、及び咳痰がある方の秋の養生


肺ガン及び、咳痰がある方の秋の養生

秋は西風が吹き、乾燥の季節・・・・ここのところ気圧も高く、湿度も50パーセントを割るようになってきました。
空気が乾燥して冷えると、最もダメージを受けやすいのは五臓の中の肺です。
肺は嬌臓といい、乾燥にも湿気にも弱い臓器で、乾燥が激しいと、熱を持って炎症を起こし、いがらっこい空咳になったり、血痰が出たりしますし、湿気が多ければ痰が溜まり、ゼロゼロした痰まじりの咳が現れます。

肺に病巣があると、そこに炎症が起こり、マクロファージ等が集まってくるために、病理産物である痰が形成されます。
特に、長期間に渡って放射線による治療を受けたような場合には、肺が乾燥しやすく、この乾燥の季節とあいまって、血痰が続くような場合も多く見られます。

このような時の治療や養生は大変に難しく、補と瀉のバランスをうまくとった微調整が必要になります。
その内容としては、

1,ガン本体の勢いを弱め、炎症を抑える薬味を用いながら、片方では体を温め、免疫力を増強する薬味を使用する

2,苦しい咳、痰の原因になる痰湿をとりのぞく薬味を使いながら、片方では肺を潤し、硬くなったガン本体を滋陰して柔らかくし、壊しやすくするような薬味を用いてゆく

養生では

1,玄米や雑穀を主食にした穀物+野菜+豆+海藻+きのこ の基本の食事を、この季節には炊き込みご飯や鍋物にして、体を温める食事を作る (キムチなどの辛味は控えてください)

2,痰湿を除去しつつ、肺の乾燥を防ぐためには、のり、こんぶ、里芋、豆乳、白ごま、百合根、銀杏、ビワなどの食材を取り入れる・・・晩ご飯に刺身、ビール、生野菜などの体を冷やす食事は絶対に止めましょう

3,血痰がある方は、黒きくらげ、オカラの料理をこまめに取り入れる

4,首筋と肩を決して冷やさないことと、温度変化に上手に対応すること・・・特に夜間~明け方の冷えに要注意

5,背中の督脈沿い、肺の募穴の中府、両耳を温灸でよく温めましょう

2012年10月23日火曜日

認知症の予防


認知症を予防するには

元気で長生き!は誰にも共通の願いで、歳を重ねても体も頭もクリアーでいたいものです。
認知症は、あっという間に進行することもありますので、次のような兆候に気をつけてください。

*落ち着かなくソワソワするようになった
*怒りっぽくなったり、いい加減になったり、大声を出したりなどの性格に急な変化が見られるようになった
*買い物などを頻繁に間違えたりするようになった
*財布を盗まれた・・・などの被害妄想の出現

認知症の最大の原因は、長年の生命活動により、βアミロイドというゴミや酸化物質が神経細胞の外に溜まり、それが神経の伝達を悪くしたり、脳細胞を次第に萎縮させたりするものです。
高カロリー食、白砂糖食品の摂りすぎ、酸化油の多いファーストフード、コーン油、サフラワー油、マーガリンなどのω6系の油脂、ショートニングなどのトランス脂肪はβアミロイドを蓄積させ、脳の機能を低下させますので、摂りすぎに注意してください。

さて予防としてのポイントをあげてみましょう。・・・食事+運動+心
1,カロリーを減らして、腹6~7分食を心がける
2,抗酸化食品(ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、アブラナ科の食物、人参、トマト、カシス、くるみ、アーモンドなどのナッツ類)を食べる
3,油脂はω3系のαリノレン酸、EPA,DHA(サケ、サンマ、イワシ、サバ、マグロ)から摂取
4,大豆食品を上手に取り入れる
5,筋肉を使うリズム運動、ウォーキングなどを取り入れる
6,音楽を楽しむ、歌う、踊るなどの活動がとても有効
7,歳を重ねても、心を外向きにして、新しいことにチャレンジしたり、おしゃべり友達を作り、家にこもらない
8,男性も女性もおしゃれを楽しみ、ふれ合い活動に参加

★保健室のお勧め★

保健室では、認知症の心配のある方に、脳の栄養剤・・・百越パワー(1ヶ月分18900円)
若い方でも、遺伝的に心配しておられる方、精神疲れのある方に、脳の栄養剤・・・新ノーゲン(1ヶ月分13650円)をお勧めしています。

2012年10月16日火曜日

リンパ浮腫の養生法


リンパ浮腫の養生法

乳ガン等の転移予防のために、リンパ節を取り除かれた方は、それによるリンパ浮腫を起こすことがあります。
リンパ節は、免疫を主るところでもありますし、老廃物や水分を回収する箇所ですので、切除しますと、老廃物を含んだ水分(濁邪)が行き場を失い、組織にむくみが生じ、尚かつ免疫力の低下を招きます。

この場合、体をあたため、全身の血行をよくして、静脈系の流れをよくしてゆくことがポイントになります。
静脈系は動脈系の約4倍の血液が流れていますので、リンパ節を上手に刺激して、リンパ液がスムーズに静脈に回収されるのを促進してゆきましょう。

その養生のポイントは

1,経絡リンパ体操を取り入れる

*手足の指回し
*手首、足首回し
*土踏まず~ふくらはぎ、腕の加重踏み込み(自分の体重で加減して踏んで行く)
*かかとの上下運動
*仰向けになり、手足を上げブラブラ運動
*鎖骨のマッサージ(手でゆっくり押し込んでゆく)
*浴槽に足かけ、ブラブラ運動
*弾性靴下等の利用

2,腹式呼吸を実践する

*肩で息をせず、お腹を膨らませるように息を入れ、口に小さな穴を作って、ゆっくりと息を吐いてゆきます。
腹式呼吸は、副交感神経を刺激し、毛細血管を開き、静脈の血液循環と、解毒排泄を高めます。

3,体を温める食事+良質なタンパク質を含む食事+消化に負担をかけない食事

*体が冷えてしまうと、血液の流れも悪くなり、水の排泄も弱まります。
お勧めは、切り干し大根、干し椎茸、高野豆腐、湯葉、乾燥わかめなどの乾物食品の利用です。
乾物は、陽気が強く、体を温め、湿を抜く力があります。

*高野豆腐や湯葉などは、タンパク価が高く、消化も良いため、むくみを防止してゆきます。
食欲が無い方では、血中アルブミンが不足して、むくみやすくなっている方もあり、そんな方にも絶好の食品です。

4,タンポポ茶(ショーキT1)を利用して、解毒の力を高めましょう

*浮腫には、その原因により、通竅、コルマータQ10,プラセンタなど、そして漢方薬も使ってゆきますが、どのタイプの浮腫にも解毒促進で使えるのがタンポポ茶です。
朝と入浴前に服用して、腰浴などで肝腎の排泄力を高めてゆきましょう。

                     ★保健室からお知らせ★

毎月、第二、第四の木曜日に、荒崎地区センター二階ホールにて、経絡養生体操を行っています。
参加費は、タンポポ茶1袋付きで、1回500円・・・・予約がいらない自由参加形式です。

どなたでも、参加できますので、どうぞお誘い併せていらしてくださいねっ♪

2012年10月9日火曜日

更年期と鬱


更年期と鬱

更年期は、誰にでも訪れるもので、女性ばかりではなく、男性にもあります。
皆さんは、更年期をイヤなものと捉えがちですが、決してそうではなく、生き方のターニングポイントとして捉えていただければ・・・と思います。
即ち、子宝と子育てをする体から解放されて、肉体は衰えても精神は日々進歩する、精神的充実の世界へ突入するためのホルモンの変換期ではないでしょうか?

更年期にホットフラッシュやめまい等の血管運動系の症状が多いこと、そして気分が憂鬱、やる気が起きない・・・などの鬱症状が起きやすいのは、女性ホルモンと、脳内の神経伝達物質が密接に関連しているためです。

女性ホルモンが減少すると、精神を穏やかにしたり安定させ、脳の意欲を整えるセロトニンの分泌が減少し、非常に気持ちが不安定になります。
更年期の時期には、女性ホルモンが減少してしまうのですが、女性ホルモンは、コレステロールから合成されるため、成人病を気にするあまり、極端なダイエットをやっていたり、過激な菜食主義、そしてコレステロールを下げる薬の服用等で、急激に落ち込みやすくなります。

また、脳は電流を流している細胞なので、漏電を防ぐために神経細胞は脂肪に取り囲まれています。
したがって、コレステロールが経れば、脳細胞はダメージを受けやすく、ボケやすくなったりします。
同時に、脳の栄養源はブドウ糖です。脳の重量はたったの2パーセントなのに、体全体の20パーセントのブドウ糖を消費する組織なので、炭水化物抜きのダイエット等を続ければ、頭は栄養されず、鬱になるばかりか、ボケやすくなりますよ!

将来ボケないためにも、この時期の過ごし方はとても大切!!!
ポイントとしては、女性ホルモンとセロトニンを作る食事・・・・豆類、黒い食べ物、色の濃い野菜、かつお、芝エビ、しらす、ナッツ類
そして、オシャレを楽しむ、音楽、ダンス、異性とのふれ合いを楽しむなども、女性ホルモンとセロトニンを増やしますよ!

★そして、漢方としてのお勧めは、プラセンタと新ノーゲンの併用です。
プラセンタ(Wリンクル)は、摂ったアミノ酸を女性ホルモン、血液、骨などに変換するタンパク同化作用に優れています。
新ノーゲンは、脳細胞を栄養し、セロトニンを増やしたり、伝達をよくする脳の栄養剤です。
この二つの併用で、快適に更年期を過ごし、第二の人生にスイッチしてくださいね♪

2012年10月3日水曜日

ガンと補剤の効用


ガンと補剤の効用

ここのところ、毎回のように書いていますが、長い酷暑を終えた体は、ちょっとやそっとでは回復できないほど疲れています。
汗のかきすぎと、熟睡不足による津液の消耗、胃腸機能の低下による栄養の不足が、免疫力の低下を招きます。

朝晩、乾燥した涼風が吹くようになってから、咳き込みが激しく、細い血管が傷ついて血痰が出てくる方や、ガンが少し大きくなって不安を感じる・・・というようなメ~ルを頂いていますが、このような場合は、先補後瀉で、補う治療を優先すべきと考えます。

一般的に、初期のガンは、気血水の不足というよりも、有り余り滞ったものが原因であることが多いのですが、抗ガン剤等の侵襲的治療を長く続けた後は、消耗(気血精の虚損)によるおけつが生じやすくなります。
気がなければ、動かない、血がなければ栄養できない、免疫細胞も働かないので、虚損による症状が出た場合は積極的に補い、体を立て直してまいりましょう。

具体的には、発酵紅参や、コルマータQ10(コエンザイムQ10+紅参)、棗参宝、通竅等の補剤をそれぞれの症状に合わせて使ってゆき、食事も気血の回復を促す食材を優先します。
ビワ灸で温陽することも、体を養う補の養生です。

よく”元気を回復するものをとったら、ガンも元気になってしまいませんか?”というご質問を受けますが、ガンは、宿主の環境の不具合に乗じて発生したものですので、宿主の体力と免疫力が回復すれば、自然と退散に追い込まれます。

現在、体がしんどくていろいろな症状が出ておられる方・・・・特に抗ガン剤等を長く続けておられる方は、体力の立て直しの養生に注力なさってくださいね♪