2014年1月28日火曜日

増加するCOPD

増加するCOPD

現在、肺気腫は、慢性気管支炎と合わせて、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれています。
COPDは、最近よく耳にする疾患で、日本人の死因の9位になっています。
COPDを早期に防ぐ運動が盛んになっているため、咳がなかなか止まらない、風邪をひくと、喘息様の症状が出る・・・などの方々が、COPDと診断されたケースが多くあります。

COPDは、タバコの煙が主原因で、肺胞の壁が壊され、炎症を起こして肺胞が膨らんだ状態で、空気が吸い込めず、ガス交換がスムーズにゆきません。
息が吸い込みにくく、尚かつ酸素不足から、息切れが生じるのが特徴で、進行すると座っていても息切れ、息苦しさを感じるようになります。

COPDの治療には、ステロイド剤が多く用いられますが、漢方では清熱解毒剤と、補肺剤が有効です。
粘膜の炎症がひどく、痰が常にある場合には、紫霊芝や霊芝胞子などの清熱剤と、瓜呂実等の化痰薬を配合しますが、炎症の程度が軽ければ、粘膜の荒れをなだらかに整える、通竅と生脈紅景天等の補肺剤で、進行を防ぐことができます。

COPDの方は、粘膜が荒れているため、花粉や大気汚染で症状が悪化します。
また、風邪で一気に進行する恐れがあるので、補肺して免疫力を高めておくことが大切です。

2014年1月21日火曜日

肺の宣発粛降と免疫力

肺の宣発粛降と免疫力

肺の働きの一つは呼吸を司る作用ですが、もう一つの大切な働きに、宣発粛降の働きがあります。
宣発とは、気と津液、栄養分、衛気などを全身に拡散させ、すみずみまで行き渡らせる機能です。
これを別名、肺気のシャワーといいます。
肺気のシャワーがまんべんなく行くことにより、気が巡り、体を動かしたり、気力が充実したり、臓腑の機能が正常に働きます。
肺気のシャワーを十分に働かせるためには、皮膚を鍛えることが効果的です。
乾布摩擦や、温冷の交互浴により、皮膚が鍛えられると、皮膚の免疫力は高まり、発汗による体温の維持や、自律神経の反応性もよくなります。
肺気のシャワーは、体の上方、外方に向かって働きますが、粛降作用は、上から下に向かって働きます。
空気を吸い込むのは、この粛降作用が働くためです。
粛降は消化吸収の促進や排泄をコントロールします。
便秘したり、尿の出が悪いときは、肺の粛降作用の機能が弱まっている可能性があります。
つまり、腸管の機能が低下して、腸内免疫が落ちたり、大腸、小腸の働きが悪いと、肺の機能も低下して、風邪を引きやすくなったり、咳き上げたりします。
なかなか咳が止まらない、微熱が落ちないときなどは、腸管の大掃除をすることをお勧めします。

アレルギーや、花粉症、喘息などの方には、肺の免疫力を高める通竅
脳血管疾患や、ガンを心配しておられる方には、腸の免疫力を高めるナノ型乳酸菌
をお勧めします。

2014年1月14日火曜日

風邪の性質

風邪の性質

風邪(ふうじゃ)の性質に、善行数変という言葉があります。
これは、症状がコロコロとあちこちに変化しやすい・・・という意味です。

インフルエンザなどを罹患すると、最初にのどが痛み発熱がしてきたかと思うと、次には関節が痛んだり、肺に熱がついて咳き上げたり、胃腸に症状が出てきたり・・・と刻々と症状が変化します。

痛みにも特徴があり、先ほどまでは、右が痛かったかと思えば、次は左が痛む・・・というように痛みの位置が変化する神経痛系統の痛みは風邪(ふうじゃ)の特徴です。

風邪は万病の元ともいい、あらゆる病気の源になる可能性があります。
風邪を引いたあと、咳だけが残り、なかなか治らない場合、風邪が原因で、アレルギー性の咳喘息を誘発することがあります。
その他に、風邪を境に、関節に熱がついて、リウマチにかかる、高熱の後に、腎炎になるなど、いろいろな例があります。

風邪は侮らず、奥に入り込まないうちに、素早く解毒をして治しましょう。
タンポポ茶による解毒+大椎の温灸+そして症状に適した漢方をその都度合わせる(一服ごとに処方が変わる場合もあります)
がポイントですよ!

2014年1月8日水曜日

悲しみの感情と治癒力

悲しみの感情と治癒力

体というものは、どこが具合が悪くても気になるものです。
足が悪くて歩けない人は、それを嘆き悲しむし、食欲がなくて食べられない人は、何でも美味しく食べられる人をうらやみます。

症状に対する薬は服用しているし、原因に対する養生もしているけれど、なかなか良くならない・・・・気持ちは十分に理解できます。
でも、毎日毎日、”あ~つらい、情けない・・・思うようにならない・・・イライラする”
と四六時中嘆き悲しむのは、自分ばかりでなく、周りの人にも毒をまき散らす行為で、治る方向からますます遠ざかってゆくことを知っていると、生き方も変わります。

悲しみの感情は、五臓でいう肺を傷めます。
肺は免疫力に関わる臓で、感染症に対する予防や、体にできた不具合を排除しようとするリンパ球の働きを高め、治癒力を向上させる役割を担っています。

嘆き悲しむ気持ちが長く続くと、肺の働きは弱まり、粘膜が乾燥し、免疫細胞や、治癒のための神経伝達物質が不足し、治る力が弱まります。
ですので、同じ状態であっても、現状を嘆き悲しむのでなく、あるものを喜び、”これとこれはまだできる” ”有り難いなあ、出来ることで頑張ろう”と気持ちを切り替えるだけで、心はウンと楽になり、毎日がそれなりに楽しくなります・・・・そして周りの人も元気になります。
そうすれば、しめたもので、体は一気に治癒の方向へ働いてゆくものなのです。

皆さんは、知らず知らずのうちに、周りにマイナスの感情の毒をまき散らしていませんか?
時には愚痴こぼしも必要ですが、それは一時のハメ外しにして、治るための心を忘れないでくださいね!