2016年11月30日水曜日

ストレスで上がる値

ストレスで上がる値

食養生を頑張っていて、病院のお薬も飲んでいるのに・・・値がなかなか下がらない!!!
という悩みをよく耳にします。

代表的なものは、血圧(特に下の血圧)、血糖値、悪玉コレステロール
先日、無意識ストレスのお話をしましたが、体がストレス状態を感じると、それに対応するホルモンが出て、戦闘態勢状態を作り出します。
具体的には、状況に応じて臨機応変に対応できるように血圧を上げ、血糖値を上昇させてエネルギーを作り出し、肝臓でコレステロールをどんどん合成して、全身に運び、血管が破れたり出血しないように血管壁を肥厚させたり、血液を固まりやすくさせたりします。

これは、体にとって緊急事態用の仕様で、長く続けば逆に体に負担をかけてゆきます。

血圧、血糖値は何となくわかるけれど、コレステロールも???
と思われる方が多いようです。

コレステロールは食養生していてもなかなか下がりにくい値のひとつです。
それは、コレステロールの8割が肝臓で合成されており、残りの2割が食事からのもの・・・。
コレステロールはすごく悪者扱いされますが、ストレスに応じて血管を守る、性ホルモンをはじめ、体にとって必要なホルモンの原料になる・・・等の大切なもので、無意識ストレスがあれば、常に合成され続けます。

つまり、無意識ストレスがあれば、それに対応するために体は血圧、血糖、コレステロールを上げて頑張っているのですから、無理矢理に西洋薬で下げても、大元の無意識ストレスを取り除く養生をなさらなければ、体は混乱を起こしてしまいます。
そういった意味で、お薬を飲むだけでなく、是非養生を併用していただきたいのです。


漢方薬や食養生、生活養生は、数値だけに囚われるのでなく、体の中身を変えてゆく働きがあり、何よりも恐ろしい合併症を防ぐ働きがあります。
長い間かかって作られた体質や考え方は、養生を根気よくすることで少しづつ改善されてゆきます。
定期検診で結果が悪くても、諦めたり、焦ったりせずに、それを道標として養生をコツコツ続けてください。
養生は年単位ですが、必ず結果はついてきますよ♪

2016年11月29日火曜日

がんの治り方

がんの治り方

がん細胞といえど、元は自分の細胞です。
正常細胞にとって、住みにくい過酷な環境が続いたために、生き残りをかけて無限に分裂するがん細胞に変異した・・・とすれば、逆に養生によって環境がよくなれば、がん細胞でいる必要がなくなり、元の細胞に戻ってゆく・・・と考えられると思います。
現に、そのような変化が確かめられていますし、こちらのお客様でも自然退縮された方を多く体験しています。

養生を始めると、最初に効果が現れるのは血液のように感じます。
血が浄化されてゆくと、
1,体の疲れがとれて元気になる
2,食欲が出てくる
3,顔色や手の色の黒ずみがとれて、明るくなる
などの変化があります。
これはすなわち、慢性炎症が改善されてきていると考えられます。
実際、養生をはじめて3ヶ月くらいで、リンパ球の値が増えてきたり、炎症マーカーが低下し始める方も多いです。

ところが、この段階では、まだ大きさに変化は見られません。
がんは、倍速で分裂してゆきますので、ある程度の大きさがあればあるほど、大きくなる速度が速くまります。
ですので、3ヶ月養生して、大きさが何ら変わりない・・・ということはがんが大きくなろうとする力と、養生により免疫がくい止めている力とが見かけ上平衡状態を保っているということで、大成功!!!

この状態が続き、免疫力が上回ってくると、がん細胞の外側から少しづつ色が薄くなり始めます。
すなわち、がんが消える・・・というよりは元の正常細胞に変化してゆく・・・と捉えた方がしっくりとくる感じがします。

しこりが感じられるような場所にがんがある方では、状態が良くなるにつれて、カチカチの岩のようだったしこりが、ゴムまりのように柔らかくなりはじめます。

又、原発のがんは、ある程度の大きさがありますし、慢性炎症によって、転移させる力を持っていますが、転移したがんは、まだ芽が小さく、早くに消えやすい特徴をもっています。
転移したものより、原発がやはり根深いので、根気よく養生することが大切です。

がんの養生中に、皆さんが一喜一憂されるのが、腫瘍マーカーの値ですが、腫瘍マーカーは、がんが退縮する直前にも勢いよく上昇することがあります。
その他に、花粉症などのアレルギーの季節に、そちらが原因で上昇することもあります。

マーカーは炎症細胞が出す代謝液のようなものですので、免疫ががんを叩いたときにも上昇するわけです。
ですので、一喜一憂するのではなく、体調を加味して養生を続け、場合によれば養生の方法を調整してゆくのがよいです。

2016年11月22日火曜日

慢性炎症を作る無意識ストレスについて

慢性炎症を作る無意識ストレスについて

えっ何故私ががんに???特にストレスを感じていなかったのに、何が悪かったのか?

血圧が高く、病院の薬を飲んでも下がらない、塩分も控えているのに何故??
こんなお話をよく聞きます。

これは、無意識ストレスがなせる技です。
無意識ストレスとは何か?
それは心や気持ちではストレスを感じていないのに、次のような様々な原因で生命を守るための緊急事態スイッチが体の防御機構として入ってしまうものを言います。

1,ストレスを感じていない・・・これは本当でしょうか?
自分のやるべき行動、当たり前の行動・・・には大きな落とし穴があります。
~するのが普通で、当たり前・・・という意識があると、仮にそれが本当はその日はやりたくないことであっても、やって当たり前の気持ちにマスクされてしまい、心とは裏腹の無理な行動を続けることがあります。
このようなとき、心はストレスをさほど感じていないにしても、体は正直でストレス反応の信号を視床下部へ送ります。

2,糖質ストレス
空腹時に甘い物を食べる、1日の総カロリーの60%以上が、炭水化物や糖質であると・・・。
食後血糖が180mg以上に上がると、グルコーススパイクが起こり、血管内で活性酸素が発生し、血管内壁が傷害されます。
又、体はストレスに対応するステロイドホルモンを副腎から分泌させ、これが慢性炎症、高血圧の元になります。
このような状態が1日に何度もあることがとても危険なストレスになります。

3,脂質ストレス
トランス脂肪酸、ωー6系脂質の過剰な摂取、動物性飽和脂肪酸の摂りすぎ・・・はプロスタグランジンの生成を高め、炎症を助長、血管内皮細胞の傷害、血栓を作る、血圧を高める・・・などの方向へ働き、体にとってのストレスを助長してゆきます。

4,外からのステロイドホルモン類
ステロイドは勿論、女性ホルモン、男性ホルモンなどのホルモン剤、乳製品等に含まれてしまっている環境ホルモン等はステロイド骨格を有しており、これらを取入れることで、知らず知らずの内に、体はストレス反応を起こしています。
鎮痛剤等の化学薬品の長期服薬も同様によろしくありません。

5,その他・・・冷え、運動不足、筋肉への圧力不足、寝不足等
人は体を動かし、筋肉を使って、夜はしっかりと休むのが本来の姿ですが、これらの普通のことが出来ていない場合に、体はストレス体制に入ってゆきます。

暑さ寒さ等を含む、肉体的なストレス、明らに感じる精神的ストレスの他に、このような無意識ストレスがあり、それが持続的な交感神経緊張を生み、がん、血管病、認知症、老化等と深く関わっていると言われています。
もう一度、ご自身のライフスタイルを見直してみてくださいね。

2016年11月17日木曜日

高カロリー輸液の善し悪し

高カロリー輸液の善し悪し

何らかの事情で口から食べ物が入らない場合、点滴や中心静脈栄養のお世話にならざるを得ないのですが、口から少しでも入るのとそうでないのとでは、予後も大いに違ってきます。

今回、身内が腸閉塞で入院した際には、鼻腔からイレウス管が入っており、絶食絶飲で口をすすぐのもダメ・・・という状態が丸2週間続きました。
その間ずっと高カロリー輸液のお世話になっていましたが、イレウス管の処置でも回復せずに手術が決まっても2週間も手術できずに手をこまねいていたのには理由があります。

それは、腸閉塞により胃液や腸液を激しく戻した際に、吐物が気管の方へ流れ込んでしまい、誤嚥性肺炎を起こしたためです。
毎日大量に嘔吐があり、飲まず食わずの状態が続けば、体はヘロヘロになり体力、免疫力が低下しているところへ、高カロリーのブドウ糖がダイレクトに入ってこれば、細菌にとっては思うツボ・・・一気に肺炎が悪化します。
弱り目にたたり目で、足に蜂窩織炎まで起こし、手術の日程が延びてしまったのです。


熱が下がった日を見計らって手術しましたが、術後も傷口が化膿したり、腹水を起こしたりして心配な日々が続きました。
体力が弱り、中心静脈栄養を施されましたが、これまた肺炎が再燃しスッキリしないという悪循環でした。

1ヶ月たち、やっと重湯などを1~2口とれるようになってきたら、みるみる顔色も回復して良い兆しが見えてきました。
高カロリー輸液は、ある意味命をつなぐものではありますが、がんも細菌も大喜びするものでもあります。

口からの食べ物は、腸管を刺激し、免疫を活性化することをしてくれるので、ただ単に栄養を入れる点滴とは大いに違います。
食べ物が口から入らず、消化管が動かない・・・ということは腸管が免疫、栄養作り、解毒、代謝など様々な働きをストップさせてしまう・・・ということなので、長くこのような状態が続けば、腸の粘膜やパイエル板機能は萎縮してしまい、大いなる弊害が生じ、回復にも罹った時間の何倍もの時間を要する可能性があります。

1口、2口食べることが出来る・・・これが腸管を動かすためにもとても大事なことなんですよね。
もどかしいかもしれませんが、たとえ少しでも口から食べられる・・・ということは、腸管が通って便やガスが出るのと同様、生命力の回復を意味することです。

2016年11月15日火曜日

放射線中の養生

放射線中の養生

がんの勢いが強く、どんどん分裂して大きくなるのを防ぐために、放射線治療を勧められることがあります。
放射線には、地固め療法といって、砕けそうになる骨を固めたり、新生血管の増殖を防いでいったりする働きがあり、急場の対策になりますが、やはり根本的な治療ではないので、体の中身を変えてゆくことを、必ず併用しておかねばならないと思います。

特に放射線は熱毒で、ややもすると炎症を助長し、がんの幹細胞を刺激して、別の部分への転移を促進する可能性があるので、清熱解毒の養生をしっかりとしておくことが大切です。
清熱解毒の生薬には、白花蛇舌草、山茨姑、大青葉、半枝蓮、タンポポ茶、苦草等があります。
普段の倍量~3倍量くらい使用するのがよいかと思います。
食事でも、揚げ物、炒め物などにωー6系の油を使うことを控えてください。

また、放射線治療では、リンパ球の低下が著しくなるため、免疫を損ねない工夫も大切です。
野生紫霊芝や冬虫夏草などの生薬がリンパ球を増やす働きがあります。
食事でも、キノコ類、海草類をしっかり食べていただき、鶏ガラやスペアリブで出汁をとったスープも、骨髓の力を強めてくれます。

2016年11月8日火曜日

手術に関する迷いと不安

手術に関する迷いと不安

がんが見つかり、手術を勧められたけれど、とても不安で迷っている!
というご相談をよく受けます。
つまり、手術をした方がよいのか?せずに養生するのか?どうしよう???
ということで、漠然とした不安を抱えられているのだと思います。
では、ここで手術することに関する不安と手術しないでいることに対する不安とを整理し、解決策を見いだしてみましょう。

手術することに対する不安

1,かなり高齢である場合や、体力が低下している場合、手術に持ちこたえることができるだろうか?・・・主治医の意見を伺う
2,術後に関する不具合やQOLの低下、予測される事態について・・・対処法などについてを知る
3,患部が酸素に触れて、二次的な炎症や転移を誘発する可能性についての不安・・・最小限にしてゆく養生の仕方を学ぶ

手術しないことに対する不安

1,がんがどんどん大きくなり拡がったらどうしよう?・・・そうならないために、どんな養生ができるのかを学ぶ
2,養生だけで大丈夫だろうか?という不安・・・心のありかた、ストレスを受けやすい性質をチェックしてみる
3,手術を断ったら、先生に見捨てられるのでは?という不安・・・何故手術をしたくないのか?自分の考えを書き出して、順序よく主治医に話してみる

一方、手術をする利点と問題点、手術をしない利点と問題点についても考えてみましょう


手術をする利点と問題点
1,とりあえず悪い部分がとりきれる・・・けれども対症療法なので、根本的に中身を変える養生が大切
2,詰まりや塞ぎなどの不具合がとれる・・・こちらも術後の養生が欠かせない

手術をしない利点と問題点

1,体への侵襲がない・・・けれどもがんはあるので、養生が大切
2,幹細胞を刺激しない・・・同じく養生が大切

これらをよく考えてみて、本人とご家族の意向を十分に検討した上で結論を出せば、迷いがなくなります。

ご参考までに私の考えですが、あまりにも不安症、心配性であれば、手術ができるのなら行った上で、養生されてはいかがでしょうか?
術後の不具合が相当大変なものであれば、年齢もいっているのであれば、養生で取り組む・・という考えもありかと思います。

2016年11月2日水曜日

貧血とアルブミンの低下をこのように乗り切った

貧血とアルブミンの低下をこのように乗り切った!

症例1 乳がん手術後にホルモン剤治療中、貧血、リンパ球の低下、アルブミンの低下に見舞われた (40代女性)

乳がんがみつかってから、玄米菜食を取入れて実行してきたが、階段をあがると息切れがする、疲れやすい、アゴの下のリンパ節に転移があり、なかなか小さくならない・・・などの不安を抱えたまま1年ほど養生していた。
検査をしてみると、アルブミン、リンパ球、ヘモグロビンなどの値がとても低く、不安になった。

食養生を見直し、総タンパクの3割近くを動物性タンパクに切り替えることにして、1週間に21食(1日3回X7日)のうち、5~7食に動物性タンパク質を取入れた。
具体的には、牡蠣、さんま、いわし、あじ、鮭、いか、たこ、ほたて、鶏肉ささみ、地鶏卵など・・・・1回分が掌(指を除いた部分の大きさと厚み)程度の量

なおかつ、万寿酵素のタンポポ茶割を朝晩、棗参宝を朝晩各6粒を服用
大変に体が疲れにくくなり、4ヶ月後の検診で、アゴの下のリンパ節のしこりがなくなり、貧血が改善、アルブミン、リンパ球の値も正常値まで回復していた。

症例2 肺がん手術後にイレッサ服用中、肺に水が溜まりはじめ、腫瘍マーカーが上昇しはじめた

朝のタンポポ茶と寝る前紫霊芝を12粒取入れ、3ヶ月目あたりより胸水がひきはじめ、腫瘍マーカーも下がりはじめたが、アルブミンが3,3と低く、足の筋肉がつったり疲れやすい。
玄米菜食をしていたが、1日1回夕食には鶏のささみ、白身魚、青魚、地鶏卵などを50~70グラム程度取入れた。
また、万寿酵素、発酵紅参液、エネスポを養生に取入れたところ、6ヶ月目の検査で、体重が5キロ回復、アルブミン4.1、貧血も改善されていた

2016年11月1日火曜日

気をつけたいアルブミンの低下

気をつけたいアルブミンの低下

食養生をしていて、順調で元気であれば言うことはありませんが、貧血やふらつき、疲れやすい・・・等の症状が現れたときは、一度食生活を見直してください。
アルブミンの値が3.8を切り始めたら要注意です。
アルブミンには
1,水分を維持し、血液循環を正常にする働き
2,体内のミネラル、ホルモン、脂肪酸、酵素などと結びつき、必要な場所に必要な物質を届ける働き
3,リンパ球の活性を高めたり、粘膜のバリアを強め感染から身を守る働き
4,筋力を高める働き
5,デンプンの消化吸収を穏やかにする働き
6,抗酸化、抗老化の働き
等があり、実際にアルブミンが低下すると、感染症を起こしやすく、抗生剤などの薬も効きにくい。
傷が治りにくい、病が長期化しやすく予後が悪い、筋力が低下し、体のすべての機能が低下する、浮腫、腹水、胸水が溜まりやすい・・・などの様々な不具合が起こりやすくなります。

アルブミンの低下は肝機能の低下によるもの、必要なタンパク質やビタミン、ミネラルの不足、肝血不足等により起こります。
玄米菜食等により、必要なタンパク質が不足している場合は、動物性のタンパク質も、総タンパク質の3割程度摂取していただくとよいかと思います。

また、色の濃い野菜(人参、トマト、パプリカ、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、南瓜など)、黒い食べ物(黒豆、黒胡麻、小豆、ひじき、木耳など)等を穀物とともに摂ると、効果的に肝血を補います。

甘いもの、糖質の摂りすぎは、ビタミン、ミネラル不足と酵素反応を弱め、アルブミンの低下につながります。

足の筋力を鍛えることもアルブミンの上昇させるポイントですので、ご参考ください。