春先に急増する五苓散の証
この季節は三寒四温を繰り返しながら、次第に温かくなってゆきますが、1日のうちの気温変動も10度以上あり、(朝は0度、日中10度など)知らず知らずのうちに、体には大きな負担がかかっています。
日中温かいと、体は毛穴を開いて熱を放散する体勢にあります。
ところが夕方になると、急激に冷えてくるために、簡単に寒邪を体内に引き込んでしまいます。
それと同様に、春先は空気が乾燥しており、室内でも乾いて温かい空気が上層部にあり、足元は湿気があり気温も低くて、いわゆる上熱下寒・・・首から上は乾燥して熱っぽくのぼせて、膝下は冷えて冷たい・・・という状況になります。
こうなると、体内の気の流れ、津液の巡りも滞り、
上半身・・・口がやたらと渇き、パサパサするが、水分を受け付けない。
目が乾燥して乾き、こすると涙が出てくる
鼻が乾燥して痛い
目や鼻の粘膜が充血
吐き気や胃の不快感
下半身・・・足腰が冷えてだるく痛む
手足が浮腫んでだるい
体がスッキリしない
下痢、軟便、尿の出が悪い
等、太陽膀胱経に外邪が入り、水湿の運化が滞ったために起こる様々な症状が出現しやすくなります。
こんなときに、重宝するのが五苓散という漢方処方です。
水湿の運化を助け、上下を巡らせるために、上記症状が一度に解決されます。
場合によっては葛根湯や柴胡桂枝湯を併用します。
この季節は、とにかく少しのことで、この症状に陥りやすいので、足元はよく温め、上半身は脱ぎ着できるよう微調整することが大切です。
また、肺脾腎の働きが弱く、水湿の運化がもともと弱い方は、通竅の服用で予防することが可能です。
立ち仕事や、座り仕事の方は定期的にかかとの上げ下ろしなどで足を刺激して、気の循環をはかってくださいね。
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