2018年6月13日水曜日

がん・・・虚の養生は補益

がん・・・虚の養生は補益

がんの養生中、体重がどんどん減っていってフラフラする、筋肉が萎えて歩くのもしんどい、少し歩いても息切れがする、食べられない・・・などの状態の時。
また、手術や抗がん剤、放射線などの治療で、体力が落ちてしんどい時は、まず胃腸を立て直し、体力を回復させることを優先し、補益の養生を心がけます。

胃腸は後天の精といって、命を養うものです。
その胃腸の働きが低下すれば、生命エネルギーが低下してしまいます。
貧血やリンパ球の低下、アルブミンの低下があると、体は慢性の炎症を起こし易くなり、がんの勢いも強くなってしまうので、胃腸を立て直し、体力の回復を図ってください。

具体的には、状態に応じて1日のうちの1~3食をお粥にします。
お粥というと、白粥に梅干しみたいな、イメージがあるかもしれませんが、その時の体調に応じて色々な具を加えて作る花粥をお勧めします。(一度に食べられない方は何度かに分けて少しづつ召し上がってください)

基本の粥は10倍粥で、カップ4分の1(約40グラムの米)に対し、水はカップ2杯半で30分かけて炊きあげます。
それに、必要に応じて具を加えて一緒に炊き込みます。
胃腸が弱っている方は白米でOK,それほどでもなければ玄米粥でよいです。

1,胃腸の元気がなく、食欲がなく食べられない時・・・補気類2~3種類を加えます。

味付けはお好みで塩少々や梅干しでもOK。
補気類(胃腸の元気を補う)・・・山芋、長芋、かぼちゃ、キャベツ、ブロッコリー、いんげん、ささげ、干し椎茸、棗、栗、鶏のささみ、白身魚など

2,体が冷えたり、お腹が冷えて下ったりしている時・・・補陽類又は温裏類2~3種類を加えます。
味付けはお好みで塩少々か梅干しなど。黒糖やスパイス類を少し加えてもよい。
補陽類(体を温める)・・・くるみ、えび、干しエビ
温裏類(お腹を温める)・・・ニラ、ネギ、鮭、鯵、ナマコなど

3,貧血、アルブミンの値が低いなどで、フラフラするとき・・・補気類又は養血類を2~3種類加えます。
味付けはお好みで塩少々か、梅干し、カレースパイス、トマト味などでもOK
養血類(血を作るもの)・・・人参、トマト、パプリカ、ほうれんそう、小松菜、落花生、プルーン、干しぶどう、黒木耳、黒胡麻、かつおぶし、イカ、タコなど

4,放射線などの熱毒が入り、炎症や出血があってしんどい時・・・滋陰類を2~3種類加えます。
味付けは、味噌や豆乳、塩麹などがお勧め
滋陰類(体の潤いを補い熱を取るもの)・・・豆腐、豆乳、納豆、あさり、ほたて、牡蠣、しじみ、ゆりね、枸杞の実、白きくらげ、松の実、ひまわりの種、白胡麻、黒胡麻、卵、うずらの卵、すっぽんなど

さらに補益を促す生活習慣と手当て、心の養生は
1,疲れたら横になって深呼吸
2,ほんの少し体に負荷をかけて、ストレッチなどで手足、体幹の筋力をつける
3,寝不足は厳禁
4,スマホ、パソコンなどで、目の使いすぎを止める
5,サウナや岩盤浴、手当てによる発汗のしすぎは厳禁
6,大椎、神闕、湧泉の温灸
7,不安が押し寄せたら、昇降開合松静功で気をいただく
などです

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