2008年9月5日金曜日

骨転移の痛みと養生

前立腺ガンや乳ガンは、とても骨転移しやすい性質をもっています。
主に、骨盤や背骨など太い骨に転移が多いが、冷えは転移の大敵です。
督脈上の陽気を集める、大椎(首のグリグリの下あたり)、そして仙骨の部分お臍、両鼠径部リンパの部分等を温灸でしっかりと温めてください。

非ステロイド性の鎮痛剤、ステロイド、座薬、を使用しているような方は、血流が細くなり、血虚おけつを生じます。
通じざれば即ち痛むのが、痛みの法則ですので、温めることと、血を増やす養生により、少しずつ減らしてゆけると良いですね。

また、抗ガン剤や放射線治療中の方では、組織破壊による炎症・・・すなわち”おけつ”が生じやすくなります。
この場合は、治療により、気、血、津液、精の不足を招いた結果、生じた”おけつ”ですので、単に炎症を抑える清熱解毒薬や、”おけつ”をとる行気活血薬だけではよくなりません。
適切な補陽、滋陰養血、補腎精のお薬を用います。

このように、痛みといえば、活血薬、通絡止痛薬等で、通して痛みを除去することばかりを考えがちですが、その原因に応じ、去邪とともに、足りないものを補うことが大切です。
骨転移の痛みは激しいと言われますが、適切に養生すれば、かなり緩和できるものです。
骨は、腎精に深く関与していますので、長く痛みが取れない方は、補腎精に目を向けてみる必要があります。

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