2008年9月20日土曜日

抗ガン剤治療と鬱証

抗ガン剤治療を始められた多くの方に、気分の落ち込み、プチ鬱、鬱証がみられます。
症状としては、
1,体がだるくて何もやる気がしない
2,思考がまとまらず、同じ事ばかり繰り返し考えて悩む
3,頭がスッキリせず、塞がった感じ
4,たとえようもない不安で眠れない
5,熟睡できないために、昼間がまどろんだ感じで、気力がわかない等

この原因として、一つには、抗ガン剤は強い骨髄抑制を起こしますので、慢性的な血不足となります。
肝は血を貯蔵する臓器ですが、肝血不足が起これば、情緒が条達されず、気の滞りや滅入りを生じます。
血が不足すると、心や脳も栄養されず、気力が出ない、考えがまとまらない、熟睡できないなどの問題が生じやすくなります。
さらに、肝血が不足すれば、解毒代謝機能も低下し、疲労物質等も体に残りやすくなり、これがまた気分を塞ぎます。

もうひとつの原因は痰です。
抗ガン剤は細胞を傷害するため、組織炎症を引き起こし、炎症が生じると必ずその周りに痰が生じます。
これは鼻炎などで鼻水や痰が出てくるのと同じで、痰は全身どこにでも生じます。
保健室では、ガンの患者さんで、温灸に通っておられる方も多いですが、抗ガン剤が始まると、皆さん一様に痰が生じ、特に後頭部、百会、足首周り等が、痰湿でブヨブヨになってくるのがわかります。
舌裏をみると、舌根の部分が痰で真っ白です。
痰は、正常な気血の流れを塞ぎますので、頭が清陽せず、気が重い、スッキリしない等の症状が出やすくなります。

従って、本格的な鬱に至らせないためには、邪を解毒しつつ、滋陰養血、補腎精をすることが大切!処方やそのタイミング、ブレンドの割合は、個々により違います。

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