2009年8月19日水曜日

虚証の人は少なめから

虚証の人は少なめから

保健室では、初回カウンセリング時に、体質チェックを行っていますが、虚証(脾虚、腎陽虚、血虚、陰虚)の方ではお薬の量を少なめから始めてもらっています。
とくに、血虚(血が少ない)と陰虚(体を潤す体液が不足)の方は注意が必要です。私はどちらかというと、体に余分なものが多い実のタイプなので、瀉剤(発散したり、通便したり、利尿したりするお薬)を少し多めに飲むことが多いんです。

ところがこれと同じことを虚証の方にすると、汗をかきすぎたり、ひどい下痢になったりして、消耗してしまいます。
また、血虚や陰虚の方では体が冷えているからといって、温める薬を使うとすぐにのぼせてしんどくなったり、熱を冷ます薬を使うと冷えすぎて調子が悪くなったり・・・・と過剰に反応することが多いのです。

この原理はヤカンの中の水と同じ!水がたくさん入っていれば、温めるのも時間がかかるし、冷めにくいです。
ところが水が少量であれば、すぐに温まるし、すぐに冷めてしまいます。要するに、外からの刺激に対する許容範囲が狭いのです。ですから、虚証とみれば、少量から・・・・を戒めています。

そしてまた、根本的には、血や陰を増やすこと(ヤカンの水を増やしてゆくこと)を同時にやっていかなければなりません。
症状をとること・・・・標治療法
根本を治す、体質を改善すること・・・本治療法
といいますが、この二つをうまく組み合わせて治療を進めないと、本来の健康を取り戻すことができないのです。

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