2010年6月7日月曜日

頭痛と眩暈

★頭痛と眩暈は大変に関連がある疾患です。
頭痛は不通即痛(通じざれば即ち痛む)と言われるように、何らかの状態で気血の流れが滞って起きるものです。
また、眩暈はこれまた何らかの理由により脳に気血が巡らず、脳を栄養出来ないことから起こります。

1,最初の問診
まず最初に問うのは、症状がいつから出始めたか?です。
急性のものであれば、風邪、寒邪、熱邪、湿邪などの外からの邪気(外感邪気)が経絡を塞ぎ、突然に症状が現れます。
したがって、邪を取り除いてやれば、比較的簡単に治ります。
また、数ヶ月~数年、慢性的に悩んでいるのであれば、症状が慢性化する何らかの理由があり、それを改善しないと発作はおさまりません。

2,虚証と実証
東洋医学は、体の中に不足がある(虚証)のであれば、それを補い、余分なものがある(実証)のであれば、それを取り除いてバランスを保つ治療をします。
眩暈と頭痛もしかりで、やはり虚証の眩暈、頭痛と実証の眩暈、頭痛があります。

3,虚証のものとは?
気血が不足する、腎精が不足するなどの理由で、脳に栄養が満たされずに、眩暈がしたり頭痛がするものです。
特徴として、体が疲れると発症する、痛みはシクシクと痛み、手で押さえたり温めるとラクになる、食後しばらくするとラクになる、手足がだるい、足腰が冷えるなどのエネルギー不足の症状を伴います。
つまり、足りないから栄養されず、流れが細くて滞っているものですので、これを補う治療をします。

4,実証のものとは?
こちらは、気が詰まる、痰の詰まり、おけつによる塞がりなどで症状が起きているものです。
例えば、ストレスでいつも気が塞いでおり、頭部への正常な経絡の流れが阻止されている。
水分代謝が悪く、粘っこい痰が気血の流れを塞いでいる。
外傷や慢性の血流疾患で血の流れが塞がれている。
などが原因ですので、これを上手く流したり、取り除いてゆく治療をします。

5,問診力と皆さんの正確な訴えで決まる
西洋医学では、どんな頭痛、眩暈でも、ほぼ同じお薬が処方されますが、慢性の頭痛や眩暈がなかなか治らない原因がそこにあります。
東洋医学では、各タイプにより処方されるお薬や養生法が全く異なりますので、ポイントは証を正確に見極めることにあります。

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