2011年1月8日土曜日

不眠症の症例と養生法

症例 40代女性で、主訴は不眠症

ぴょんP:今日はどうしましたか?

患者K:ここのところ毎晩眠れず困っています。床についても目が冴えてしまい、何だか息苦しく、心臓がドキドキする鼓動が聞こえるのです。
実は、同年代の友人を心筋梗塞で亡くし、かなりショックを受けています。
少しウトウトしても、悪夢でうなされ、ジェットコースターに乗ったときのように、胃が上に突き上げている感じで、吐き気があります。

P:眠れなくなったのは、ご友人が亡くなってからですか?

K:そうですね。あと年末にあれこれと仕事をしすぎて、体がオーバーヒート気味になってからです。

P:動悸や胸苦しさは、起きていてもありますか?

K:夕方になって疲れが溜まってくると、ひどくなります。
風邪の症状はないのですが、疲れると微熱が出てきます。
あと、スーパーなどで買い物を長時間していると、頭がフラフラして冷や汗が出て、胸苦しさ、動悸がはじまります。

望診:舌は歯形がついており、舌先と舌縁部が真っ赤 脈は速くて硬く細い(数、弦、細)

P解説
★この方は、もともと胃腸が虚弱で気血が不足しているために、大きなストレスが入ったり、少し無理をすると化熱してオーバーヒートしてしまいます。胃腸の働きが悪いために、痰という病理産物が溜まりやすく、それが熱化して心の働きを乱してしまうのです。(心の働きのひとつに、安心して眠らせる作用があります)
小さなエンジンで大きな車を動かした状態に似ていますね。
動悸や胸苦しさ、じっとしていられない、舌先が赤いなどは、心に痰熱がついた症状で、こうなると不安感が高まります。
このような状態で眠ると、悪夢を見てうなされたり、気が突き上げて吐き気が起こったりもするわけです。
★治療は、脾虚を改善して気血を充実させる+心の熱を冷ます!方法をとります。
この方には、升降丹(180粒入り9240円)という漢方食品をお勧めしました。
朝、昼、夜、寝る前とそれぞれ6粒づつ服用いただき、胸がス~と楽になり、午後11時~午前6時まで、一度も目覚めずに熟睡できるようになったと喜ばれました。
★養生は、揚げ物、すき焼き、餃子など味の濃い料理や熱を生む料理は避けてください。
ハトムギ入りのお粥などで、胃腸を休めてあげることも大切なのです。
手首の小指側の神門、霊道のツボにマグレバンを貼るのも効果がありますよ。

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