2011年10月19日水曜日

ガンと少陽体質

少陽体質とは一体何でしょう?

傷寒雑病論の中で外感病の証と特徴を体系化した六経弁証では、少陽経は胆を主り、その経路は胸脇を巡って耳に連絡する。そのため胸脇痛や耳の不調を起こしやすいと言うような内容があります。

また、風邪などの急性病を感受したときの少陽病の特徴として、発病後4~7日を経過し、口が苦い、喉が渇く、微熱があり、寒気と熱感が交互に現れる、食欲がない、吐き気、お腹が痞えるなどの症状が見られます。

これは病が完全な表面でもなく、完全な裏でもない半表半裏にある状態です。
半表半裏のうちに、病を撤退させるか否かで、その後の明暗が分かれます。
ここからはあくまでも私の考えですが、半表半裏とはつまり境目であり、これが即ち少陽ということです。

少陽は日常生活の中でいろいろとありますよ。
長い人生で見れば、ホルモンのバランスが大きく変化する更年期は大きな節目です。
社会生活で見れば、入学、就職、結婚、出産、転勤、退職等の生活の変化の時期が少陽です。
一年の季節の変化でいけば、陰の気が最も盛んなのが冬至、陽の気が最も盛んなのが夏至なので、春分と秋分の時期が季節の境目で最も不安定な季節です。
そして一日の変化で行けば、陰の気が最も盛んなのが午前0時、陽の気が最も盛んなのが正午ですので、午前3時~9時と午後3時~9時が陰陽のバランス、即ち光の量や気温等が入れ替わる非常に不安定な時間なのです。

少陽の時は、自律神経のバランス、ホルモンのバランス、免疫のバランスが、外部の環境に応じて変化しようとしますので、様々な症状が現れます。
季節の変わり目や、一日の温度変化が激しいとすぐに風邪をひく方、眩暈、のぼせ、動悸、息切れ、ふらつき、頭痛、咳、吐き気、便秘や下痢に悩まされる方は少陽体質です。
少陽体質は、体の中に不足が生じていたり、あるいは逆に少陽の経絡に気や痰湿などの阻滞があっても起こりやすい傾向にあるので、ここで養生すれば万全です。

ガンが発病した方は、少陽のときに調整しきれなかった(養生しなかった)か、体に頓着せずにがむしゃらに生きて、少陽のサインに気がつかなかったかのどちらかであることが非常に多いです。
ですので、体に不快な症状がある方は逆に言えば養生の機会を示されているのですから、とてもラッキーな体なんですよ♪

少陽の養生の仕方は、不足があれば補い、余りあれば除くに尽きます。
不足には通竅やコルマータ、解毒にタンポポ茶、龍衣、馬鞭草などを用いることが非常に効果的です。
ただし、人により千差万別ですから、お早めにご相談くださいね♪

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