2012年3月27日火曜日

痺証


痺証

三寒四温のこの季節、注意していただきたいのが痺証です。
痺証とは、風、寒、湿、熱などの邪が体内に侵入して、肢体、経絡、臓腑に滞ることにより、気血の流れが塞がれて痛みを発症するもので、西洋医学的には、リウマチ、慢性関節炎、坐骨神経痛、頸椎症、五十肩、筋肉痛、痛風、神経痛、ぎっくり腰などがこれに当てはまります。

今年は特に寒暖の差が激しく、この気候変化自体が体にとって大きなストレスです。
特に、体力が低下している方や、更年期等でホルモンの変化が激しい方、過労等で気血が不足している方は、外界の影響を受けやすいので注意が必要です。

この季節の痺証は、風邪と症状が似ており、強い悪寒から始まることが多いのが特徴です。
寒気がして、節々や筋肉が痛くなりますが、ノドの痛み、咳、鼻水などはありません。

この時点で、体を温めてうまく解表できれば治ってしまいますが、奥に入ってしまうと、肋骨や背骨をはじめ、全身の筋肉がだるく痛み、寝込むほどになることもあります。

痺証は、臓でいうと肺、脾、腎の虚損と関係していることが多く、この3つの臓が弱っていると、体に余分な水分、痰湿が阻滞して、汗がでにくい、尿が少なくむくみやすい、アレルギー症状を起こしやすい、頻繁に風邪をひくなどの症状が出やすくなります。
余分な湿は体を冷やし、ここへ外からの風湿の邪が入ると、湿の重みで気血の流れが塞がれ、痛みが生じます。

寒邪は、督脈と膀胱経から入り、湿邪は少陽経に阻滞しやすいので、痛みの症状は背中と体側部に出やすくなります。
このようなときは、督脈と膀胱経を温めて痛みをとる、松康泉と、大椎の温灸
体側部の湿を動かす龍衣と耳温灸
を併用すると大変に効果があります。

そしてまた、根本的な体質改善として、肺、脾、腎を補う通竅をお勧めします。

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