2013年4月23日火曜日

春の流行病


春の流行病

風、寒、湿、火、暑、燥の外因六邪の他に、この季節に多いのが、疫癘(大流行を引き起こす、強烈な伝染性をもつ疾病で、時病、温熱病に類する)の邪で、春のインフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎などがこれに属します。
現在、東京、大阪などの都市部で風疹が流行しており、前年同期の30倍の患者数に達しているという。
風疹は、子供の病気と思われがちですが、現在流行しているのは成人のもので、90パーセントが大人で、女性は20代、男性は20~40代に多発しているようです。

今年のように、厳しい寒さから一気に気温が上昇したり、また寒の戻りがあるような気温差のある気候は、体にとっては大変なストレスで、寝不足、食べ過ぎ、消化に負担のかかるものの多食、精神的なストレスなどがこれに加わると、容易に免疫力を低下させ、感染症に罹りやすくなるので注意が必要です。
また、大気汚染等も強く関わっている可能性があります。

春の流行性の疫病は、温病(温邪に感染して起こる急性熱病)であることが多く、温邪によって?理(毛穴)が閉じて体に熱が籠もり、うまく解表できないと、あっという間にウイルスが増殖して、病が裏に入る(臓器にまで熱が達する)ことが多く、その速度がとてつもなく速いので、一刻も早く解表して邪を追い出すとともに、邪気が奥へ侵入することの予防として、清熱薬を同時に配合することが多いです。

冬のインフルエンザとちがって、明かな温病の場合は、麻黄湯を単独で用いたりすると、体が温まり、あっという間にウイルスが増殖し、脳炎等を起こすことがしばしばあり、自分も家族で苦い経験をしています。
この場合は辛温解表の麻黄湯よりも、辛涼解表の銀翹散系列の処方を用いることが多いのですが、保健適応の漢方ではこれに代わるものがなく、麻黄湯と小柴胡湯を合方する苦肉の策がとられているようです。

何にしても、風邪(ふうじゃ)は百病の長・・・あらゆる病気と結びつきやすく、そしてまた、春の気候と同じく、症状がコロコロと変化する特徴をもっています。一服一服を慎重に考慮する必要があり、同一処方を数日に渡って漫然と服用することは大変に危険です。
こちらでは、常連さんは、風邪に関するある程度の処方は常備されており、状態に応じて使い分けできる力を持っておられます。

漢方養生で病を寄せ付けない体作りを目指してゆきましょう♪

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