2013年10月16日水曜日

更年期症状についての考察

更年期症状についての考察

私の側には、やはり同年代の方が集まりやすく、更年期の症状で汗をかいては、お互いに盛り上がることが多い。
そんな中で、月経が遅れて3ヶ月ほど到来しないのと同時に、つわりのようなムカムカ症状が現れ、食欲がなく美味しく食べられない。
友人からは、”妊娠したんじゃないの?”とひやかされるし、思い当たらないわけでもなく、まさかの妊娠不安を味わっている・・・というご相談がけっこうあるんです(苦笑)

ここからは、お話が専門的になって、ちょっと申し訳ないのですが、この”つわり様症状”を分析してみたので、書いてみます。
更年期であるかどうかにかかわらず、月経の到来がないと、更年期に似た症状やつわりに似た症状が出てくることがあります。
その代表的なものが、高プロラクチン血症です。

プロラクチンは、乳汁を分泌させるホルモンで、妊娠中や出産で分泌されてくるものですが、ストレス等でホルモンバランスが乱れてそうでないときに分泌されることもあり、それによって月経が止ることがあります。

これを中医学的に考えると、五臓六腑の余血は、衝脉につながっており、これが満たされると溢れ出して月経が始まりますが、月経が止るということは、衝脉の気血津液が満たされていないか、あるいは帯脈の開閉がうまくいかずに、衝脉にたまった気血津液が行き場を失い、衝脉とつながっている胃経に逆上し、吐き気、ムカムカ、食欲不振、げっぷ、腹部膨満感を起こすと考えられます。
また、胃経は乳房につながっているために、乳汁として分泌されてくると考えられます。


高プロラクチン血症の漢方薬では、芍薬甘草湯がよく用いられますが、これは甘草のグリチルリチン酸が、ドーパミンレセプターを介してプロラクチンを抑制することや、勺薬が肝陰を補い衝脉血を滋養することに起因すると思われます。

ただ、更年期の閉経には、経験的に桂枝加芍薬湯の方が同様の症状に効果を上げています。
桂枝加芍薬湯は、一般的には”しぶり腹”の薬ですが、陰陽の調和作用があり、営衛不和に起因する、突然の不愉快な発汗、そして帯脈の調整作用がある勺薬が働き、腰回りの神経的な違和感(痒み、痛み、ゾワゾワ感)によく効いています。
白勺薬は、ホルモン系、神経伝達物質の調整に何らかの関わりがあるようです。

また、突然の突き上げるようなのぼせ、発汗発作には、合谷+太衝の四関穴治療よりも、衝陽+合谷で気を巡らすのがよいようです。
やはり胃経との関連ですね・・・。

研究すればするほど、面白いですね・・・こんなに楽しめるのなら、自分の更年期も悪くないかも・・・と思っています(笑)

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