陰虚で痰湿の秘密
陰虚とは、体を潤す正常な体液(津液)が不足して、体が乾燥して熱をもってくる証で、具体的な症状としては、手足のほてり、寝汗、頬の紅潮、皮膚や髪の毛の乾燥、空咳、喉の渇き、便秘、乾燥したコロコロ便・・などがあります。
逆に痰湿とは、水はけの悪い体質で、体に余分な水分や代謝産物を溜め込みやすく、むくむ、だるい、体が重い、頭がスッキリしない、吐き気がする、軟便、雨の日や梅雨どきに特に体調が悪い・・・などの症状を伴いやすい証です。
陰虚と痰湿は症状からみても、正反対のような証に感じますが、この二つが混在した証を日常よくみかけます。
特に冷え性で、胃腸の働きが悪かった女性が、更年期を迎えて、もともとの痰湿の体質に、陰虚が加わり始める・・という例はとても多いです。
陰虚の症状は熱を伴うため、上半身に現れやすく、痰湿の症状は、水の性質で重たく下半身に現れやすいです。
上半身と下半身を分断しているのが、腰回りの帯脈です。
更年期を迎えると、女性は産む機能から解放されるために、帯脈が緩みはじめ、それにより上下の気の巡り、ひいては血の巡りや体液の巡りも悪くなってきます。
帯脈は、素麺を束ねる紐のように、体を引き締めて気血を循環させる働きをもっています。
上下の気血の巡りが低下すると、部分的に乾燥するところと、余剰のところが出現し、特に熱は上に昇りやすく、冷えと水は重たく足元に生じやすいために、上熱下寒の症状が現れやすくなります。
これを解決するには、帯脈の機能を強化すること・・・即ち骨盤スクワットや骨盤回し、左右の骨盤調整、太ももとふくらはぎの筋肉のストレッチなどを行い、気の流れをよくすることです。
長時間同じ姿勢を続けることが、最もよくない行為です。
漢方や薬膳でも、陰虚+痰湿にみあう方剤だけでなく、唐橘などの気滞を除去する方剤を微調整してゆきます。
食事の最後に、柑橘類を召し上がるのも良いですね♪
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