脾不統血の崩漏
崩漏とは、女性の不正出血のことで、激しく雪崩れるように出血するものを崩、ちょろちょろと漏れ出すような出血が長引くものが、漏で、いずれも早い内に対処しないと、出血が止まりにくくなり、難治性となるので注意が必要です。
崩漏には、いろいろな原因がありますが、その中の一つに、脾を病むことにより止りにくくなる出血があり、これを脾不統血の崩漏といいます。
脾は元気、気力を作り出す大元で、気がしっかりと満たされていれば、血液や汗、精などが管から漏れ出すことを防ぎ、気の力で留める働きがありますが、脾を病んで、気の力が低下すると、このような出血が起こったり、ジワジワと嫌な汗をかいたりします。
このようなタイプの出血を起こす方は、パニック症や神経症の方に非常に多いです。
例えば、
1,頭ではわかっていても、どこか信じることが出来ない(相談者の助言をどこか否定してしまう)
2,ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう・・・と先々まで悩み途方に暮れ、何も手に着かない
3,完璧症で、きちんと出来ないことに不安を感じる (計画どおりにいかないと、やる気をなくしてしまう)
4,自分で自分をコントロール出来ない状況に追い込まれるとパニックを起こす(スーパーの列に並ぶ、歯医者や美容院のイス、高速道路走行、トンネルの中、飛行機や船などの途中出入り出来ない乗り物、授業参観など)
このように頭で出口のない答えを考えると、血液を大量に消耗し、なおかつ脾の力は衰えます。
そして、甘い物が欲しくなり、甘い物を多食すると、ますます脾に負担がかかり、気血を作り出す力が衰えてしまうのです。
先日もこのようなタイプの方に、新ノーゲンと加味帰脾湯を処方しました。
とにかくストレスが多く、不安が強くて、入浴で湯船にも漬かれない。
出血が二週間以上続いている。
というものでしたが、新ノーゲンを服用し、二週間ほどで、不安が軽くなり入浴できるようになったのが何より嬉しいとおっしゃっていました。
また、続いていた出血も、無事に止まりました。
このようなタイプの方は、
1,甘い物と油ものを控え、赤身の肉、イカ、タコ、色の濃い野菜、黒い食べ物をしっかり食べる
2,細かい計画に捕らわれず、今何をしたらよいか?そしてそれに集中し、余分なことを考える暇をなくす
3,運は自分に味方してくれる!と信じ”ありがとう!”の気持ちと”大丈夫!”をいつも唱える
などの養生も心がけてください。
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