脳とDHA
魚を食べると頭が良くなる!!!というような歌が以前に流行りましたが、その主成分であるDHAは、イワシ、サバ、サンマ、マグロなどの青魚に含まれる必須栄養素です。
DHAは、知能の発達、認知症の改善、脳神経の正常な働きを維持するなど、重要な役割を持ちますが、体内で作ることはできず、直接食事から摂取するか、食事から摂取したωー3系の油脂、αーリノレン酸を経て合成されるかの方法でしか得ることが出来ません。
DHAの1日摂取量は魚で約90グラムとされていますが、現代人の食事は、魚離れの傾向があり、もはや食事からの摂取だけでは、難しい状況と言えます。
多くの方が、コレステロールを目の敵にする傾向がありますが、脳の60%は脂質でできており、その約25%がDHAです。
DHAが、全身の中でも、目と脳に集中しているのは何故でしょうか?
それは、脳と目は大量の酸素を必要とし、ATPを産生しますが、それとともに細胞内に大量の活性酸素が生じます。
活性酸素から身を守るためには、強力な抗酸化物質が必要です。
通常、抗酸化物質と言われる、VC,VE,COQ10,アントシアニン、ルテイン、カテキン、βーカロテンなどは、細胞外に存在し、バリアとなって、活性酸素の酸化から細胞を守りますが、細胞内に入り込んだ活性酸素を除去することはできず、細胞内の核のDNAが酸化されて傷つき、それが繰り返されることで、慢性炎症が生じて、細胞内の老化や、ガン化につながると言われています。
脳と目に集積されたDHAは、細胞内に存在する”グルタチオン”という最強の抗酸化成分を活性化することにより、細胞内の環境を改善し、ガン化や老化を防ぐ働きがあります。
アルツハイマーの原因のひとつは、βーアミロイド(タンパク質が糖化され、変性したゴミのようなもの)が細胞内の環境を悪化させ、神経細胞を死滅させてゆくものですが、DHAが十分であれば、細胞内酸化を防ぎ、シナプス膜の硬化を防いで、神経の伝達機能を維持します。
又、脳はブドウ糖を大変に要求する組織で、特にストレスや解決できない問題をグルグルと考えると、甘い物が強烈に欲しくなります。
ブドウ糖が豊富にある脳組織は、ブドウ糖を栄養源として分裂繁殖するガン細胞が、転移先としてもっとも好む場所と言えます。
ガンの脳転移を防ぐためにも、しっかりとした内部抗酸化システムを働かせる必要があり、DHAがそれに一役かっていると、私は考えています。
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