2015年8月25日火曜日

バセドウ病と眼球突出について

バセドウ病と眼球突出について

バセドウ病に伴い、眼球が突出して悩んでおられる方がたくさんいらっしゃいます。
甲状腺の値は、薬によりうまくコントロールできているのに、一度突出した眼球に関しては、有効な治療法や予防法がないと言われて、悩んでおられる女性が後を絶ちません。
ところが、こちらの薬局では、漢方+食養生で、眼球の突出が気にならない程度まで回復した方々が年々増加しています。

バセドウ病の眼球突出は、日本人では10人に2~3人程度の割合で、全員に症状が現れるわけではありませんが、この要因に”1年以上にわたる慢性のストレス”が大いに関係しています。
頑張りすぎ、無理のしすぎ、睡眠不足や食事の不規則、精神的なダメージ、本音を言えずに我慢する・・・等の行為は交感神経を過剰に緊張させ、それに伴いホルモンのバランスや免疫のコントロールに不具合を生じさせます。
バセドウ病の発病原因になっているTSH受容体抗体が、外眼筋や、その奥の後眼脂肪組織に数多く存在する、TSH受容体に結合すると、その部分が過剰に刺激され、炎症が起こります。
この慢性炎症を冷ます目的で、組織液が動員され、眼の奥の脂肪組織の体積が増えて、眼球が押し出されてきます。
眼球が外気と当たる面積が増えるために、ドライアイ、それによる炎症(眼赤)、眩しい、物が多重に見える等の症状が出やすくなります。

中医学では、目は肝の穴といい、肝は様々な環境の変化やストレスをうまく処理する臓なのですが、これがオーバーワークになると、その症状は目に現れ、疲れ目、眩しい、かすみ目、ドライアイ、視力低下などが起こると言われています。
肉体的な疲れだけでなく、イライラや不満、心の悩みは肝に負担をかけ、その穴である目に炎症を作ります。
この炎症を鎮めようとするのが痰湿というゼリー状の組織液で、眼球突出の元になるものです。

痰湿を除去するには、元になる”ストレス”を解決し、心の炎症を抑えることが根本治療ですが、それとともに、炎症を起こさない食生活、痰湿を溜めない食生活に心がけることが大切です。

★炎症と痰湿を助長しないために、控えていただくもの★
1,甘いお菓子、ジュースなどの精製された糖
2,乳製品、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング、クッキー、ケーキ、揚げ物、ルウ、保存の効く食べ物等に含まれる)
3,アルコール類

★炎症と痰湿を除く食品★
1,サトイモ、たけのこ、大根おろし、きゅうり、トマトなど
2,漢方では、清熱解毒作用がある、タンポポ茶(ショーキT1)を1日1~2袋、サトイモ科の化痰薬である穿山薯預を朝晩6粒ほど取入れます
3,玄米を取入れた和食

痰湿は非常に頑固でとれにくい性質がありますが、食養生に気をつけて、寝不足を改善、心の悩みを発想の転換で解決する等の根本養生を並行して行われると、早い方で3ヶ月~6ヶ月で、体が変わり始め、気になっていた眼球の突出が引いてくる方がとても多いです。
焦らずに、なるべくリラックスの時間を取入れながら、楽しく養生なさってください。


この病気は、死に至るような病ではないために、なかなか真剣になれない方もありますが、本腰をいれて養生された方は、とても良い結果が出ておりますので、諦めることなく養生なさってください。

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