2015年9月17日木曜日

秋に多い目眩発作と不安神経症の薬膳

秋に多い目眩発作と不安神経症の薬膳

代表的なAさん(60代女性)の症状

主訴・・・9月の声をきいてから、運転中にしばしば目眩発作、動悸発作を起こすようになり、運転するのが不安でたまらなくなった。
状況
1,発作は、太陽の光が眩しい日、そして大きな環状道路など、他の車がスピードを上げてビュンビュン走るような状況で、気持ちが焦ることで起こりやすい。
2,最初は、手に冷や汗が出てきて、後頭部が詰まりのぼせた感じになり、ダラダラと額から汗が出る。そうなると頭がフワフワして、激しい動悸で、心臓が飛び出るのでは?と思うような不安に襲われ、気分が悪くなる(悪心)
3,胸が熱く口渇があり、汗をかくので冷たい水分をかなり摂っていた
4,舌は薄くヘロヘロしていて、舌側部に歯形があり、側面のみ異常に赤い、舌中央部には白い苔
5,脈は滑脈、細、数

背景
1,今年の夏は、暑くて異常に汗をかき、その度に水を飲み、軟便気味であった
2,暑さのため熟睡できない日が続いた
3,お盆以降、孫たちのもり+母親の世話等が重なり、あれもこれもと気が散じて、イライラしやすい日が続いていた
4,もともと、神経質で完璧症の傾向があり、常にあれこれと考え不安になってしまうタイプ

弁証
★汗のかきすぎ、熟睡できないなどの状況が長く続いた後は、体液と一緒に気も消耗して、気陰両虚という体の状態を作っています。
このような状態のときは、ちょっとしたストレスが加わっても、体が熱しやすく上半身に籠もった熱により、動悸、息切れ、煩燥、目眩などが起きやすくなっています。・・・漢方では生脈宝使用

★又、水分の摂りすぎにより生じた余分な湿は、上半身の熱と合わさり、湿熱となって後頭部の不快感や、目眩、吐き気などを生じさせます。(湿濁内盛)・・・漢方ではタンポポ茶使用

★このような条件がある中で、太陽の眩しい光、暗闇でのパソコンやスマホの画面をみること、高速道路など景色が激しく移動する状況等で、目から刺激を受けると、肝の疏泄に影響して自律神経のバランスが乱れたり、脳が異常な刺激を受けて、目眩、動悸等を含むパニック発作を起こしやすくなります。(肝陽上亢)・・・漢方では紅羅布麻使用

薬膳献立
1,セロリとイカ、枸杞子のマリネ・・・滋補肝腎、収斂(セロリとイカをオリーブ油で炒め、枸杞子を加えて酢につける)
2,ハトムギ、小豆入りご飯・・・去湿(玄米にハトムギ、小豆を各大さじ1~2加えて炊飯)
3,豆腐とトマトの卵溶きスープ・・・滋陰清熱(トマトをごま油で炒め、煮立ったら豆腐を加え、醤油で味を調え卵を溶く)

0 件のコメント: