2009年8月26日水曜日

高熱が下がって一安心

高熱が下がって一安心

2歳前のお子様ですが、ちょっと元気がなく、グズグズ言うなぁ・・・と思ったらいきなり39度6分の熱!!!
病院がお休みだし、どうしよう・・・・そうだっ、ぴょん先生のところにまず行こう♪・・・とやってこられました。

顔色が冴えず、目の回り、口の周りなどが、くすんだオレンジ黄色っぽく、ベロを見てみると先の方がとても赤いです。
喉も痛くてぐずっている感じです。
ご家族は、新型インフルエンザだったらどうしよう・・・と心配しておられます。

温熱病の初期で、銀翹解毒丸と、タンポポ茶をお出ししました。
銀翹解毒丸は、お湯に溶けやすく、16丸をシロップにして9回分で飲んでいただくようにしました。
タンポポ茶は湯冷ましで倍に薄めて、水分補給に飲んでいただきました。
途中、咳き込んで吐き上げたりしたそうですが、明くる日の朝には37度3分まで下がりました。
けれども、お子さんの熱は昼からになったり、夜にまた上昇することがありますので、舌が赤いうちは、お薬を続ける必要があります。

熱が下がりだした頃、発疹が出てきたので、念のため病院で診ていただいたところ、ヘルパンギーナとのことでした。
発疹は無理矢理抑えて中へ引っ込めるよりも、発表して外へだすことが大切です。
体に湿が多いとウイルスは増殖しやすいので、タンポポ茶でせっせと解毒することはとても有用ですね。

2009年8月19日水曜日

虚証の人は少なめから

虚証の人は少なめから

保健室では、初回カウンセリング時に、体質チェックを行っていますが、虚証(脾虚、腎陽虚、血虚、陰虚)の方ではお薬の量を少なめから始めてもらっています。
とくに、血虚(血が少ない)と陰虚(体を潤す体液が不足)の方は注意が必要です。私はどちらかというと、体に余分なものが多い実のタイプなので、瀉剤(発散したり、通便したり、利尿したりするお薬)を少し多めに飲むことが多いんです。

ところがこれと同じことを虚証の方にすると、汗をかきすぎたり、ひどい下痢になったりして、消耗してしまいます。
また、血虚や陰虚の方では体が冷えているからといって、温める薬を使うとすぐにのぼせてしんどくなったり、熱を冷ます薬を使うと冷えすぎて調子が悪くなったり・・・・と過剰に反応することが多いのです。

この原理はヤカンの中の水と同じ!水がたくさん入っていれば、温めるのも時間がかかるし、冷めにくいです。
ところが水が少量であれば、すぐに温まるし、すぐに冷めてしまいます。要するに、外からの刺激に対する許容範囲が狭いのです。ですから、虚証とみれば、少量から・・・・を戒めています。

そしてまた、根本的には、血や陰を増やすこと(ヤカンの水を増やしてゆくこと)を同時にやっていかなければなりません。
症状をとること・・・・標治療法
根本を治す、体質を改善すること・・・本治療法
といいますが、この二つをうまく組み合わせて治療を進めないと、本来の健康を取り戻すことができないのです。

2009年8月18日火曜日

中耳炎にならずにすみました!

嬉しいお便り 中耳炎にならずにすみました!

50代の女性ですが、いつもパワフルで気ぜわしく、あれもこれもと精力的に活動している方です。
いろいろと人のお世話をされることも多く、かなりストレスも溜まりがち・・・。
この方はもともと脾虚があり、腎陽虚もあるために、水はけが悪く痰湿を作りがちです。
したがって、腰痛や膀胱炎に悩まされることも多いのですが、何せパワーがある方なので、気が有り余るとそれが熱を生み、炎症を作りやすいことにもなるのです。

今日は、やることが多く、イライラとして、目が赤くなっている、頭の百会が熱をもって熱い、喉がかわく、尿が濃く、少量しか出ず、膀胱炎にもなりそう・・・・という状態でした。耳がボーンと塞がった感じで、ジンジン痛み出しそう・・・・とのことでした。

肝胆湿熱からくる耳の炎症ととらえ、竜胆潟肝湯・・・満量に、心熱をさます苦草を加えて処方したところ、3回の服用で、明くる日は症状が消え、快適になり喜ばれました。舌先の赤味がとれて、症状がなくなったら止めることが大切。
もともと腎陽虚があるので、冷やしすぎれば悪化してしまいます。
うまくタイミングを守ってくださってよかったです♪

2009年8月15日土曜日

着痺

着痺

ここのところの湿気の多さは並半端じゃありません。
各地でゲリラ豪雨があり日本は熱帯の気候に変化しつつあるのではないでしょうか?
脾虚湿盛の私にとってこの気候は実に辛いものがあります。

朝から清陽が上がらない・・・頭がぼんやりした感じで、思考が巡りにくい体がだるい、足がむくむ、そして何よりの悩みは、持病のリウマチが動きだしたことです。
お産の後にひどいリウマチに罹りましたが、整形にかかると”ステロイドと金療法”と言われ、慌てて逃げ帰り、漢方で治しました。
痛みは半年ほどで和らぎましたが、完全によくなるまで丸5年ほどかかりました。

それがこの梅雨に入るころから、ピアノを弾くと、右小指と薬指に鈍い痛みが走り、気がつくと流注(第一関節に結節ができ、赤く腫れている)がありました。
だんだんと、ペンがにぎりにくい、お箸をもちづらい、包丁に力が入らない・・・・などの症状が出始め、これはヤバイかも・・・と、徹底的に養生することに・・・。

湿邪が入って痛みや痺れを起こすものを着痺といいますが、私の場合はまさにソレ!着痺の代表方剤はヨクイニン湯ですが、これを持ち合わせていないため、ヨクイニン煎1+防已黄耆湯1+葛根湯0.25+当帰芍薬散0.25で対応しました。
熱感があるときは、0.5の黄連解毒湯を足して、今のところ痛みはおさわってきています。
湿邪は重濁性、粘滞性の性質があり、完治にはかなりの時間を要すると思いますが、気長に養生をしたいところです。

もっともっと早く治したいときは、龍衣+馬鞭草+穿山薯預!!!・・・現在比較試験をしています。

2009年8月6日木曜日

シリーズ10回目 五臓の機能低下

ヒトの体は東洋医学的に考えますと、肝、心、脾、肺、腎の五つの臓が機能して生命活動を営んでいますが、長年のうちにこれらの臓が少しずつ機能低下してきます。
これがいわゆる老化です。
どの臓が弱るかについては、使いすぎて消耗した臓や、血液がいっていない臓に症状が出やすくなります。

肝は目とつながっています。
パソコンや読書で目を酷使した人は肝を傷めやすくなります。
また肝は解毒の臓器ですので、添加物や薬物を摂りすぎている人や、イライラとストレスが多い人も肝を傷めやすいですね。

心は血を送り出す働きをしています。
徹夜、過労等の頑張りすぎは心を休める暇がありません。無理が続くと心の機能が低下し、全身を栄養できなくなり、疲れ、だるさ、気力の低下を起こします。

脾は食べ物を水穀精微という、体を養う物質に変えてゆく働きをします。
食べ過ぎ、水分の摂りすぎは脾を傷め、摂った食物を効率よく栄養に変えてゆくことができなくなります。
また、筋力が低下すると脾の働きも弱ります。

肺は呼吸と免疫力を司っています。
肺が弱るとすぐに風邪をひいたり、感染症を起こしやすくなります。
年をとると、肺炎を起こす方が増えるのも、老化の一つです。

腎は生命力の源であり、生殖も司っています。
腎が弱ると耳が遠くなる、骨や歯が脆くなる、髪が抜けたり、白髪になる、足腰が冷えてだるい・・・などの症状が出てきます。腎は恐れや恐怖の感情によって消耗されますので、不安や心配事が多いと早く老けてしまいます。
次回より、五臓の一つ一つについて詳しく見てみましょう。